ブリッジルーツの日本・中国・韓国見聞録

弁護士法人BridgeRootsブリッジルーツ
弁護士 姜 成賢


【第119回】外国人労働者の受容れに備えて

※本記事は亜州ビジネス2018年1月22日第1776号に掲載されたものです。

Ⅰ.はじめに
 新年あけまして、おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、読者の皆様は「今年の目標」を設定していますか?私は、私生活での目標設定とともに、「今年はこの法律についての見識を深めよう。」という弁護士としての目標も設定しています。そして、今年は、「入管法(出入国管理及び難民認定法)」について改めて学んでいこうと考えています。
そこで、本稿では、外国人の日本への上陸手続の際に弁護士がお手伝いできる「在留資格認定証明書」の交付申請について、概要を説明していきたいと思います。

Ⅱ.上陸申請と在留資格認定証明書
 日本に上陸しようとする外国人は、入国審査官に対し、上陸申請をして、上陸のための審査を受けなければなりません(入管法6条2項)。外国人から上陸申請があったときは、入国審査官は、当該外国人が上陸のための条件に適合しているかどうかを審査することになりますが(入管法7条1項柱書)、その条件の1つとして、「査証が有効であること」というものがあります(同項1号)。査証にはいくつかの種類がありますが、外国人が就業等の理由で長期間日本に滞在することを目的として査証の発給を受けようとする場合には、スムーズな査証の発給を受ける方法として、「在留資格認定証明書」を利用した方法があります。「在留資格認定証明書」とは、外国人が在留資格該当性等の要件に適合していること(入管法7条1項2号)の証明書のことをいいます。

Ⅲ.在留資格認定証明書の交付申請
 弁護士は、海外に在住している外国人の代理人として、地方入国管理局に必要書類を提出して、在留資格認定証明書の交付を申請することができます(入管法7条の2第2項、入管法施行規則6条の2第4項)。そして、地方入国管理局長から証明書が発行されると、弁護士は、その原本を本国にいる外国人本人に郵送します。そして、当該外国人は、証明書の原本等を持って日本大使館等にビザ発給の申請を行います。
 在留資格認定証明書なしに査証の発給申請を行うときは、地方入国管理局の事実調査を経なければならないことから、査証発給の可否についての回答まで長時間を要することになります。一方で、同証明書を持っての申請の場合、既に事実調査が終了しているものとして扱われますので、通常は2~3日から数週間で査証が発給されることになります。
 ただし、在留資格認定証明書の交付申請の対象とはならない在留資格もあること、仮に証明書が交付されたとしても入国が保障されるわけではないことに注意が必要です。また、同証明書交付後3か月以内に日本に入国して上陸の申請をしなければなりませんので、スケジュールについても注意しなければなりません。

Ⅳ.取次弁護士制度
 本人の出頭なしに弁護士が代理人として行うことができることは前記のとおりですが(Ⅲ参照)、弁護士であれば誰でも良いというわけではありません。本人の出頭なしに手続を行うためには、弁護士は、その所属する弁護士会を経由して地方入国管理局長に届出をしなければなりません(入管法施行規則6条の2第4項第2号)。
 このため、もし弁護士に上記の手続を依頼する場合には、あらかじめ届出が行われているかにつき確認する必要があります。

Ⅴ.最後に
 外国人労働者の需要が求められている現在、外国人労働者の入国手続で時間をかけてしまうことは、人材確保の点でデメリットとなる可能性もあります。外国人労働者がスムーズに入国して働ける環境を作ることは、今後の競争力にも影響を与えるかもしれません。外国人労働者の獲得をお考えの方は、一度、弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。
以 上