ブリッジルーツの日本・中国・韓国見聞録

弁護士法人Bridge Roots ブリッジルーツ
上海事務所 顧問 古島忠久

【第40回】「状況にあった組織になっているか」

※本記事は亜州ビジネス2014年3月24日第840号に掲載されたものです。

 最近、中国に進出している企業の方々から、近年の人件費や土地・賃料の高騰、環境問題、地域再開発等の問題が原因で経営が難しくなったとの話を聞くことが多くなりました。そのような話を詳しく聞いていると、経営難を理由に中国内の更に内陸地への進出や中国以外の別地域にもう一つ拠点を設ける話が出てきます。言葉では簡単ですがそれを実行するにはそれ相応の大きな労力と費用が掛かります。また、それに伴い今まであった組織を縮小、又は清算しなければならないという問題が出てきます。これは現在中国に進出している企業の経営者には少々頭の痛い問題です。しかしこの問題を先延ばしにし、そのまま放置していてもいけないので、何処かのタイミングで誰かがその作業を始めないといけません。会社の規模や経営方針にもよりますが、スムーズに事を進めるためには現状の組織を稼働させながら、別の地域に新たな拠点を設け、そこを育成しながら、現状の組織を穏やかに縮小し、更に可能であれば人員も新しい拠点に移動させ、縮小していくのが一番トラブルになりにくいのですが、このように思い通りに行くことはなかなか難しいでしょう。そのような時は問題を大きくしない為にも、最初から専門家を入れて対応する方がスムーズに事が進みます。特に組織を清算する場合は内部の協力者は少ないでしょうから、外部から専門家を入れるのが現実的です。

 また昨年は為替相場の動きでも苦労された方が多くいらっしゃったように感じています。弊所にもそれが原因で人員削減したいとの相談が幾つかありました。ただ、現状の業務も回す必要があることから、単純に人員削減だけすればよいということではないため、難しい問題ではありますが、早く何かしらの手を打っておけば会社が傾く事態は避けられると思います。しかし、問題を先送りにし、為替損で資金繰りが非常に厳しくなり、何かしらの対策を取らなくてはならなくなってから、慌てて無理な人員削減をした結果、作業がきつくなり削減予定より多くの離職者がでてしまい今度は通常の業務自体が回せなくなり、発注元からも信用を落とし、結果的に会社存続の危機になったという本末転倒な話も耳にしました。経営者はこのようなことにならないように、なるべく早くにいろいろな手だてを考えないといけません。勿論、トラブルを事前に察知し、何かしらの対策を取り、問題を回避しておられる経営者の方が多いとは感じていますが、先に述べたようなトラブルを回避できない場合もあります。そうならない為にも問題があれば先延ばしせず、直ちに対応する、という考えを持つことが大事だと考えます。そして外部の専門家を上手く活用することも選択枝の一つではないでしょうか。
以上