ブリッジルーツの日本・中国・韓国見聞録

弁護士法人Bridge Roots ブリッジルーツ
上海事務所 顧問 古島忠久

【第36回】「問題が起きた時の対応を考えているか?」

※本記事は亜州ビジネス2013年12月16日第778号に掲載されたものです。

 中国で活動している日系企業は多数あります。皆さん感じておられるとは思いますが、日本に比べて色々な事で問題が起こります。そのように普段から考えていても、実際問題が起こるとどのように対応して良いか?と頭を悩ましておられる人も多いように感じています。日本国内で活動している多くの企業は、何か問題が起きても、その問題に対応する部署があり、状況を説明すれば後はその人達が引き継いでくれると思います。しかし中国に進出されている企業でそのような仕組みを持っている企業はごく一部でしょう。多くの進出企業は必要最低限の日本人しか駐在されていませんので、何か問題が起きても必然的に中国内に居る人達で解決しないといけません。そのような事は皆分かっておられるでしょうが、今までそのような専門的対応を経験していない総経理や幹部の人達が、突然起こる様々な問題に直面した時、適切な対応ができずに、場合によってはそのまま、問題を先送りしてしまうことで、更にその問題を悪化させ、早く手を打っていれば傷口は小さく済んだかもしれないことも傷口が大きくなってしまってから、弊所に相談に来られる人もおります。

 問題と言っても多々ありますが、他の企業が絡むことで、例えば代金の未回収や不良品等で支払いがされないといった件は、できるだけ早く解決しないとドンドン傷口が悪化します。確かに様々な要素を検討しないといけませんが、何処で手を打つか?は決めておいた方が、適切な判断ができると思います。その判断基準が無いと、先に述べたように問題を先送りし、更に悪化させる原因になるかもしれません。

 過去にこのような話を聞いたことがあります。A社がB社に商品を毎月納品しており、B社からの支払いは4ヵ月後という契約だった。関係は約2年半あり、開始から約2年は代金が問題なく支払われていたが、その後代金の支払いがされなくなった。A社がB社に問合せをしたところ、来月から払えるとの回答があったのでそのまま商品の納品を続けた。しかしその後も代金の支払いはされず、ようやくA社の責任者が動き出したのは既に未払いが10ヵ月分になった頃であった。しかしそれから裁判をして代金の回収ができたとしても数ヵ月後になるので、その時までA社自体の資金が持たないという訳で急いで増資する羽目になった、という話です。このことも問題を先送りしたことが原因と言えるでしょう。もし中国現地法人の経営自体も危なくなったとしたら、本社からしたら「何をやっているのか」という気持ちでしょう。傷口が大きくなるだけでは済みません。

 この話は特別な例かもしれませんが、問題は内容に関らずなるべく早く解決に向けて対応しなければなりません。そのためにも、こういう状況になったらどうする?を事前に決めておくことが問題を大きくしないことに繋がるのではないでしょうか。他の問題(社内問題)等でも、ある程度のことを決めておけば、そういう状況になってもスムーズに行動に移せるでしょう。

以上